2008年07月16日

関大建築設計製図D 「地区再生」 第14回 最終講評会 2008/7/8tue

関西大学 工学部 建築学科 3年生 建築設計製図D 
 火曜日 3・4・5限 (13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50)

7/8 tue
 13:30-18:30 最終講評会(全体)
7/11 fri
 17:00-19:30 スタジオ講評会(ゲストクリティック:木下先生)
 19:30-     打上げ 

授業としては7/8の講評会で終しまい。 ただ、当日は発表5分質疑5分の全24チーム5時間ぶっつづけというハード・スケジュールのため、今年は別途「スタジオ講評会」を行うことにした。 全体講評会では主に他の先生方から彼らの「成果物」について厳しく突っ込んでもらい、スタジオ講評会では「プロセス」も含めて話し合う、という狙い。 

0711_SuitaMap_Proposals.jpg

24チームがそれぞれ地区再生計画提案の具体的な対象地として選んだ場所を地図上にプロットしたものがこれである。 色の違いはスタジオの違いを表している。 具体的な計画対象地を教員側で指定しているスタジオもあるが、学生が自由に決めているはずのスタジオも概ね似通ったところを選んでいるのは興味深い。 


MEMO

■ 「男子、せこい?!」 
提案内容の方向性についてのチーム内での議論に関する、ある女子の言葉。
要するに、「例年こういうのが評価されているから、似たようなことやっとけば大丈夫だろう」とか、「こういうテーマで、こういうのにしとけば、まあなんとかまとまるだろう」とか、「こうすれば先生受けは良いぞ」などの、ある意味天真爛漫な発想がお気に召さなかったのだろう。 
素直に真正面から課題に取り組んで自分達なりの提案を作ればそれで良いじゃん!という応援メッセージとも受け取れる。 
頑張れ、男子!

■ 「帰納的アプローチ」の勧め 
「仮に、この場所を、このように開発したら、どうなるだろう?」というシミュレーションを数多く繰り返し、その中で効果を発揮しそうな案を抽出する。
演繹的アプローチだけだと、どうしても「何が問題か」「何を成すべきか」という議論が中心になるが、いざ『再生計画を具体的に提案せよ』となると、「何が出来るか」から帰納的に発想することも極めて重要である。 
どうしても、演繹的にアプローチする癖がついているため、延々と理詰めで議論し続けてしまうが、要は、提案内容とその効果。どんなにパーフェクトなアプローチであっても、あまり効果が感じられない提案である限りは、結果が出たとは言えない。 
結局は、「演繹的」「帰納的」双方のアプローチが交わったところが答えとなるのだろう。プレゼンテーションも、その交点を中心にして、不要なデータなどは削ぎ落とした方が伝わりやすい。

■ 「各種イデオロギー、取り揃えています。」 
僕なんかの感覚だと、日本の大学って、なんでこんなに社会主義者にとって居心地の良い場所なんだろうと思ってしまうところがある。 ベルリンの壁って確か20年近く前に崩壊しているけど知ってる?と思うこともある。 
資本主義って、甚だ不完全なシステムだけど、結局みんな戻ってきたわけだし、今のところはその中で生活せざるを得ないわけなんだから、その枠組みの中でどうすりゃいいか考えようと言うのが、この課題の基本的なテーマじゃん。と思うのだが、なかなかそうは問屋が卸さない。 割とシンプルに、現状否定、センチメンタリズム、を中心とした論理展開になりやすい。
そういう意味で、この「地区再生」という課題は、大人達にとっては多少エグい側面があるわけだが、消費者である学生にとっては素晴らしい学習環境だと思う。
各種イデオロギー取り揃えていますのでお試し下さいね。

投稿者 Kohei_Kashimoto : 2008/07/16 Wed 14:36

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