2007年10月30日

京都女子大 空間デザイン実習Ⅲ 「保育所」 第5回

京都女子大学 生活造形学科 2年生 
 火曜日 4・5限 (14:45-16:15, 16:30-18:00) 

■ あと3週間! 

■ 内外区分
今日の授業中に僕が喋った言葉を全てカウントしていったら、たぶんこの言葉が一番多かったのではないだろうか。 だってよく分かんないんだもん、どこからが室内でどこからが室外なのか。 軒や庇はあるのか無いのか。 ガラスなのか、壁なのか、窓なのか、扉なのか。 程度の差こそあれ、結構みんなこの問題を抱えていた。 
理由のいくつかは予想できなくもない。 3週間前という微妙なタイミングで、全て形を決めてしまうには早すぎるような気がする。 もっといろんな可能性を検討したい。 形を決めてしまう勇気がない。 空間のイメージ力不足。 単純に怠惰。 
どちらにしても、あんまりいつまでもフワフワしたもの持ってこられたって、こっちだってそんなに気の効いた話をし続けられるもんじゃない。 勇気を出して形を決めてしまいましょう。 おかしなものをデザインしちゃったら直せば良いんです。 デザインとは繰り返すことです。

■ 外構床仕上げ 
たぶん「内外区分」の次に使った言葉。 よくよく考えてみると、保育園の床仕上げって結構多様で豊かである。 土、砂、芝生、レンガタイル、石貼り、インターロッキング、ウッドデッキ、土間コンクリート、その他。 外で遊んだり、中で遊んだり。 走ったり、歩いたり、座ったり、昼寝をしたり。 中間領域では靴を履き替えたり、足を洗ったり。 素材も使い方もこれだけ多様で複雑だから、結構繊細な設計が要求されるのだが、どうしても箱の方に気をとられすぎて、なかなか手が回らないようだ。 

■ エスキース=?
授業そのものは90分×2コマなので、こちらとしては本来3時間喋れば良いはずなのだが、結局ほとんど休憩も挟まずに4時間半くらい喋っていた。 一人一人と面談形式のため、270分/15人で、一人あたり18分。 確かにコンパクトにまとめれば一人10分くらいにまとまるのかも知れない。 さりとて、一人一人の抱えている問題をひもといて、その解決方法を提案してあげるのが仕事だとすると、18分て結構コンパクトにまとめているとも思える。 単にやる気が無いだけだったら、何らかの形でデザインの面白さを伝えるべきだろうし、やり方がわからないのであれば、ある程度まで実演する必要もあるだろう。 そもそも相手が何を知っていて何を知らないのか、どういう考え方を持っているのかを把握するのも結構な手間だ。自ずと雑談も多くなる。 効果的なエスキース方法については、今後詳細に分析していくと面白そうだ。 

以下、メモ。

01 RK (休)
02 YSa (休)
03 ES (休)
04 YSi 何て言うか。。 各室の面積などはちゃんと押さえているし、面白いことをやってやろうとする野心もひしひし。 内部と外部の区分が本人も曖昧なんだと思う。 
05 ASi (E10) 六角形×4。それらをつなぐ長方形が3つ。やりようによっては、すっごく良くなる可能性が無いわけではない。がんばろー。
06 SS (E13) 入口は…。廊下は…。窓は…。先週からの進歩は…。 
07 ASu (E12) MOVE! という程には動きが感じられないんだなぁ。
08 KT (E03) 面積との戦い。曲線が多いので計算も一苦労のはず。頑張ろう。 1/200模型の精度を上げてデザインを詰めていく必要あり。 
09 RsT (E02) プレゼン時におけるストーリーの展開方法を伝授。 平面図はてんとう虫に見えるけど、一切それについては語らないこと。 おっさん連中の突っ込むポイントを予測してねじ伏せること。 
10 ReT (E14) 平面、お花モデル。 意外と成り立ちそう。 
11 AT (E15) うーむむ。悩んじゃってるみたいだなぁ。 楽しく適当にやった方が良いよ。 
12 MN (E08) 3つの丘?やっぱ凸凹しようよ。 Orphanage の平面図をトレースして分析すること。 縦方向にも凸凹すること。 
13 YN (E01) 教室間の間仕切壁にもう少し厚みを持たせると、深みが出そう。 
14 AN (E06) えっ、また変えたの? 教室内に中2階を作ります。 
15 NN (E05) 彫刻の小道。藤棚。 平面計画を少しづつ変化させて、徐々に成長しています。 
16 MH (E04) 階段の取り付き。構造。外構床仕上げ。 構成は美しいので、一つ一つ丁寧にきっちりと押さえて行きましょう。 
17 TH (E09) 「とりあえず 形決めちゃう 勇気かな。」 秋の一句。 
18 MF (E07) えっ。。 空間をイメージしようよ。

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/10/30 Tue 23:42 | コメント (0) | トラックバック (0)


2007年10月23日

京都女子大 空間デザイン実習Ⅲ 「保育所」 第4回 (中間発表会)

京都女子大学 生活造形学科 2年生 
 火曜日 4・5限 (14:45-16:15, 16:30-18:00) 

■ 中間発表会! 

■ 発表の方法と順番について。 
発表順序は基本的にランダム。 一人の発表につき、他の学生一人と樫本がそれぞれ気の利いたコメントをする。 序盤戦は主に今まであまり頑張ってなかった人達が発表。 あとは徹底的にランダム。 学生と僕自身の集中力維持をコンセプトに設計しました。

■ ポイント: 円の特性について   
今年は去年のような童話モデル(不思議の国のアリス、三匹の子豚の家、お菓子の家、等)が見当たらない反面、「自然」をテーマにする人がやたらと多い。 また、形態的には、円形を使う人が多い。特に友達の案に引っ張られているような感じではないだけに、少し不思議。 
保育園や幼稚園という施設は、外部との接触面積が大きい方が望ましい。 子供が外で遊ぶ時の出入りがスムーズになるし、もちろん日照・換気上も有利である。 しかしながら、円という形は、ある一定の面積を形成する閉曲線としては、周長が最小になるものである。 もちろん「円」の扱い方次第で何とでもなる話なのだが、注意が必要だ。

以下、メモ。

01 RK (P13) (C06)
 「全部の部屋に光を」 おーい、頑張れー。 
02 YSa (P07) (C02)
 「五感を刺激」。美術館のような。富広美術館、直島、バルセロナパビリオン。
03 ES (P07) (C15)
 「自然とのつながり」。○○から雲雲へ。牧場を作る。
04 YSi (P16) (C10)
 しゃべくりおもろい。楽しい場所。自然に教育がなされるような場所。トトロ。ジュラシックパーク。分棟型配置。 
05 ASi (P03) (C11)
 「開放的」。扉をなくす。ロッククライミング。遊具。 
06 SS (P05) (C17)
 「地域に開いた」。裏山含めて、田の字プラン。面積が少し心配。
07 ASu (P01) (C12)
 「動く/MOVE&自然」。記念樹を象徴的な位置に置く。 
08 KT (P17) (C07)
 「L字の敷地にS字をもってくる。」 Beautiful! お見事。素晴らしい。
09 RsT (P13) (C08)
 「中と外のつながり」 結構頑張ってるんだけど、ちょっと失速気味かな?
10 ReT (P02) (C14)
 全ての学年が集まる。上の学年の子が下の子を見る。がんばろ-。
11 AT (P18) (C03)
 「子供は遊ぶ」初めての集団生活。分棟配置?
12 MN (P09) (C13)
 「凸凹保育園」 GOOD! 唯一人、A1サイズにまとめてきた。ダイアグラムも分かりやすい。Aldo van Eyck - Orphanageを参照しましょ。
13 YN (P06) (C18)
 「こどもがついやってしまうこと」 ドーム付き。 もう少し空間を具体的にイメージしましょ。
14 AN (P12) (C01)
 エコロジー。地域活用施設。○+つ。軸を振ったので動きが出てきた。
15 NN (P04) (C16)
 「遊べる自然」。かまぼこに見えて仕方がないんだなぁ。
16 MH (P15) (C05)
 ○のコンビネーション。意外とキュートな雰囲気。1/200で模型を作る。あるいは図面を徹底的にしっかり書き込む。じゃないと幾何学的不整合が発生するかも。
17 TH (P11) (C09)
 おっ、なかなか。裏山含めた敷地全体の対角線上に建物を配置して、外部空間を分節。
18 MF (P10) (C04)
 L型敷地の内側頂点を中心に大きな円形平面。円の外側を如何に扱うか。

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/10/23 Tue 22:26 | コメント (0) | トラックバック (0)


2007年10月05日

New Models Sept., 2007 / Cassina IXC

カッシーナ・イクスシー2007年10月新作発表会/レセプションパーティ。 
http://www.cassina-ixc.jp/ 
カトリーヌ・メミ の作品。http://www.catherinememmi.com/
気合を入れないと、どれが新作なのかなかなか分からない、という粋な展示だった。
一人掛けにはかなり大きく、二人掛けには少し小さいソファも、微妙にCOOL。
シャンパンその他、ごちそうさまでした。 

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/10/05 Fri 19:04 | コメント (0) | トラックバック (0)


2007年10月03日

職業講演会 in 兵庫県立小野高校

兵庫県立小野高校の「職業講演会」にて講演する。 
http://www.hyogo-c.ed.jp/~ono-hs/topframe.htm

対象は高校1年生。 様々な職業のやりがいや面白さ、厳しさなどを伝えて、彼らの職業観を育成することが目的とのこと。 集まった講師の面々は、下記の11職種。 
グリーンキーバー、理化学研究所研究員、元県信用保証協会職員、弁護士、キャリアコンサルタント、テラ・ドーム館長、保健師、ファイナンシャル・プランナー、理学療法士、豆腐製造販売、建築士。

大小たくさんの模型や建築雑誌を持って行き、「建築家の仕事とは何か?」というタイトルで40分程パワポスライドで説明した後、ほとんど実演販売のようなノリで、模型の見方やデザインプロセスを解説する。  3年前に一度呼んでもらって講演したが、今回で2回目。 

こちらの高校、決して都会にあるとは言えないローカルな立地なのだが、生徒の学業偏差値は非常に高く、県下でもトップクラスの優秀な学校である。 
http://momotaro.boy.jp/html/hyougohennsati.html 
かなり躾は厳しい様子で、廊下ですれ違っても全員が「こんにちは!」と爽やかに挨拶してくれる。
1学年約320人の生徒が事前に上記11人の中から講師を選んで聴講するスタイル。 僕のところには、科学総合コースの生徒が多く集まってくれていたらしい。 みんな賢そうな感じで、一所懸命聴いてくれました。 
50分間という短い時間でしたが、とてもやりがいがありました。 多謝。 

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/10/03 Wed 19:17 | コメント (0) | トラックバック (0)


2007年10月02日

京都女子大 空間デザイン実習Ⅲ 「保育所」 第1回

京都女子大学 家政学部 生活造形学科 2年生 
 火曜日 4・5限 (14:45-16:15, 16:30-18:00) 
空間デザイン実習Ⅲ   担当: 北尾靖雅/加藤信喜/樫本恒平 (3スタジオ)

課題 : 保育所 -地域活動の拠点として-
(昨年度と全く同じ課題です。http://kk-designstudio.main.jp/KK_blog/2006/09/post_30.html

■ 講義・演習の内容
前半: 全体で課題の説明と、北尾氏によるフィンランドとスウェーデンの幼稚園のスライド。
後半: 各スタジオに分かれて演習。 
樫本スタジオ: RKさん~MFさんの18名。

■ メモ
今週土曜日、大和田保育園見学会。 http://www.oowada.ed.jp/
次週前半、京都幼稚園の見学会。 
次週後半、エスキース。 

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/10/02 Tue 18:10 | コメント (0) | トラックバック (0)