2009年07月23日

ネオテニー

2009/7/10 fri
『neoteny japan ネオテニー・ジャパン - 高橋コレクション』 @上野の森美術館

もう終わってしまったが、素晴らしかった。 アラーキーも大絶賛。 今度はこちらを訪れたい。

ネオテニー:= 幼形成熟 
 動物が幼生形の段階のまま生殖巣が成熟し、繁殖できるようになる現象。メキシコサンショウウオ(アホロートル)などにみられる。幼態成熟。 (Yahoo辞書) neoteny   ネオテニー 

『日本の若者たちほど、豊かで、気ままで、自由に主張ができて、一方でスポイルされ続けた存在は、人類史上類を見ない。 繊細で傷つきやすく、脆いくせに暴力的で、エネルギーがあふれているかと思うと倦怠に満ちる。』 (高橋龍太郎・本展カタログより)

なんて的確な表現なんだろう。

投稿者: Kohei_Kashimoto 2009/07/23 Thu 18:35 | コメント (0) | トラックバック (0)


2009年07月22日

再考・国立西洋美術館

2009/7/10 fri
久しぶりに国立西洋美術館を訪れる。
(参考:『世界遺産 国立西洋美術館の登録見送り 2009.6.27』  「世界遺産」 UESCO

巨匠コルビジェ様の作品が上野にあるぞ!ということで、お寺や神社をお参りするような心境で学生時代から何度となく通っているのだが、今回、ふとした拍子に、あれ?果たしてどうなんだろう?という気分になった。 もちろん質の高い建築作品であるのは確かだし、巨匠にケチをつける気はさらさらないのだが、冷静になると不思議なところがたくさんでてきた。 以下、メモ。

・ファサードの構成は文句なく美しい。 中心よりやや右にずらして設置された、二階の開口部とテラス、そして前庭とそのテラスを結ぶ魅力的な階段……。 あれ?この階段上ったことあったっけ? いつ行っても鎖で閉鎖されていたような気がする。 このテラスは2階の展示室と直接つながっているのだが、開口部にはミラーシートが貼り付けられていて、内部からはその存在がわかりにくい。 

・美術館中心部の2層吹き抜けの展示室。巨大な四角錐のトップライトとその下を横断する梁。内部空間で最も魅力的な場所だと思う。ただ、トップライトを見上げようとすると、梁下に据えつけられたダクトレールとスポットライトが、嫌でもまぶたに焼き付いてしまう。ちょっとZN(残念)。後から取り付けられたのだろうけど、まぶしいって。

・その吹き抜け展示室をぐるりと取り囲む2F展示室。ここの見所はなんといってもトップライト。今回の展覧会でも、コルビジェによるスケッチや断面図が繰り返し展示されていて、彼が最も力を注いだところとの説明もあった。なのに、なんと……。 今回一番驚いたことかも知れないが、展示室中央にあるそのトップライトは、間接照明でライトアップされていた。 考えてみたら凄いことだぞ、ライトアップされている照明装置って。

・そして、増築。この50年間に坂倉順三や前川國男の設計で何度か増築されているようだ。今回の展覧会ではその経緯が模型で展示されていたが、その経緯は若干複雑そうな印象。現在の新館は前川の設計による。 さて、問題はここからなのだが、この美術館、ル・コルビュジエの大発明、「無限成長美術館」のコンセプトでデザインされた、世界に3つしかない美術館の一つと言われている。(あとの二つは、インド・アーメダバードのサンスカル・ケンドラ美術館(1957年竣工)とチャンディガールの美術ギャラリー(1968年竣工)。) そして、前川も坂倉もコルビュジェの直弟子。普通なら、師匠の「無限成長美術館」のアイディアを実行に移すまたとないチャンス、と捉えると思うんだが、全くの別物が本館に付け加えられている。 確かに、敷地の制約もあるし、そう簡単には出来なかったのだろうけど、せめて外装仕上げは本館と近いものにしても良かったのでは、と思ってしまう。

魅惑と謎に包まれたこの国立西洋美術館。
開館50周年記念事業「ル・コルビュジェと国立西洋美術館」は8/30まで。

投稿者: Kohei_Kashimoto 2009/07/22 Wed 02:38 | コメント (0) | トラックバック (0)

坂倉準三展

2009/7/19 sun 
坂倉準三展(第2部)@パナソニック電工 汐留ミュージアム (7月4日[土曜]―9月27日[日曜])
http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/exhibition/09/090704/index.html

意外に数多くの住宅設計を行っていた。 しかも、なぜかパッと見のコルビジェ色が薄い。
白くない、屋上庭園もない、ピロティもない。
グローバル化とローカル・アクションのバランスが非常に良い人だったのかも知れない。

坂倉準三展・第1部は、神奈川県立近代美術館にて開催中。 [5月30日-9月6日]
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions//2009/sakakura/index.html
公共建築から都市のターミナル開発など大型の仕事を紹介しているそうな。 こちらも行かねば。

投稿者: Kohei_Kashimoto 2009/07/22 Wed 02:07 | コメント (0) | トラックバック (0)


2009年07月21日

IAES/建築教育国際会議

2009/7/17 fri - 19 sun
International Architectural Education Summit
建築教育国際会議「建築教育と職能の世界標準化をどう考えるか」

『…… 結果、建築はローカルな実践に関与するグローバルな職業となり、建築家にはグローバルとローカルの間に生じる軋轢を解きほぐす職能が必要とされている。 (中略) 既存のローカルな教育システムをどのように世界基準に合わせて再構築するかが今回の論点の鍵となる。 このプロジェクトは、こういった世界的状況に対する初の試みとして、国際的に著名な建築家、教育者、およびグローバリゼーションの研究者を集め、建築におけるローカルな実践現場と国際基準との間に生じる軋轢を議論するものであり、そうした議論を継続していくプラットフォーム、国際的な建築教育のネットワークの構築を目指すものである。』
http://www.iaes.aud.ucla.edu/program.html より抜粋) スケジュール

争点が見えにくい(鈴木氏)、内容が多様で語りつくせない(土居氏)、などの感想が多いようだが、おそらく「建築/architecture」と「教育/education」という言葉の概念規定が各パネリストの個性に依存している中で、グローバリゼーションの問題に突っ込んでいってしまったからだと思う。 (他には、難波氏の感想など。)さすがに、2日目の総括でStan Allen氏が教育の目的について、3日目の総括で阿部仁史氏が the definition of 'architecture' について語っていた。締めるところは締めたという印象。

MEMO: 
近代&抽象化の思考、 Anthony Giddens、 Sylvia Lavin、 CAD vs. the necessity of 'SCALE'、 日本と「建築」→コンドル→辰野金吾→伊東忠太と『建築』、設計=シミュレーション→BIM (building information model)、 parametric design、

投稿者: Kohei_Kashimoto 2009/07/21 Tue 17:55 | コメント (0) | トラックバック (0)


2009年07月06日

ネクステージ兵庫尼崎 グランドオープン!

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2009年7月4日(土) ネクステージ兵庫尼崎 グランドオープン!

高級回転寿司屋から中古車ディーラーへの華麗なる転身。

HAKO_2008_0304.jpg photo: Mari I.

昨年9月15日の函館市場尼崎浜田店閉店以来、空き店舗状態が続いていた「こいつ」がようやく新装オープンした。
9ヶ月半(291 日)ぶりの再オープン。

新たな事業者は、株式会社ネクステージ。 30代半ばの社長が率いる、平均年齢26.4歳の若くて元気な企業である。この3年間で年商60億から103億円と大躍進中。 仕入れに長けているようで、ポルシェのボクスターが100万円台、と結構な低価格で販売している。 車の買い替えを検討している方は是非ご来店下さい。 

■タイムイズマネー
 さて、不動産運用会社としては、契約期間にして約9ヶ月(263日間)のロスを発生させたことになる。概観すると、最初の3ヶ月は新しいテナントを探す期間、次の3ヶ月間は契約内容その他の調整、最後の3ヶ月間で改装工事の設計・施工・オープン準備、といったところだろうか。
 もし、テナントの業種や経済条件等に全くこだわらなければ、空き店舗期間を最短3ヶ月に短縮できたかも知れない。 現実は多少複雑なので安易な簡略化はできないが、上記のこだわりによる機会ロスを仮に試算すると、回収期間にして約2年間となる。まさにタイムイズマネー。函館市場が4年半だったことを鑑みると、結構きわどい時間の使い方だったのかも知れない。
 「こだわり」によって獲得したものを、もう一度精査し明文化する必要がある。

■空き店舗所有にかかる費用
 窓ガラス養生用のプラスチックダンボール設置、7.2万円
 敷地内への侵入防止用フェンス設置、41.1万円
 同レンタル料、5万円/月(→8ヶ月で40万円)
 上記3つを合わせて、月額換算にすると、約11万円/月
 セコム(火災監視サービス)、約1万円/月
 セコム使用に伴う電気代 
 セコム使用に伴う電話代 
 空き家の火災保険、約0.3万円/月
 土地建物の固定資産税+都市計画税、約○○万円/月

 金融資産と違って、手間はかかるは、資産税はかかるは。。
 面白かったのは、空き家の火災保険。 飲食店舗の時と比べると保険料は半額になったのだが、さて、今回、物販店舗として再オープンするといったいいくらに上がるのだろうかとわくわくしていたら、保険料は据え置きとのこと。 要は、空き家と物販店舗の火災発生確率は同じということか? 納得できるような出来ないような。。

■表層と深層 (To be continued.) 

投稿者: Kohei_Kashimoto 2009/07/06 Mon 11:29 | コメント (0) | トラックバック (0)