2007年06月26日

関大 建築設計製図D 「地区再生」 第11回 2007/06/26 tue

関西大学 工学部 建築学科 3年生 建築設計製図D 
 火曜日 3・4・5限 (13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50)

13:00-17:00 スタジオ内 エスキース

■ <TeamB>  
・ 小学生へのアンケート調査を回収してきた。 計画対象地の近くにある小学校にアンケートを2週間ほど前に依頼。 集計はまだ。 対象は小学校3年生の児童41人。 
自発的にアンケートを作成して依頼に行ったことは非常にエラい。素晴らしい。 が、アンケートの質問項目の組立て方がまだまだまだ。 事前に相談してくれれば少しは気の効いたことを言えたと思うんだが、もう後の祭り。残念。 
何を質問しようとしているのかを明確にして、MECEで質問事項を整理し設計していけば、非常に価値のあるデータを導き出せただろう。 彼ら小学生がいつ・どこで・何をして遊んでいるのか、を上手く聞き出すような構成が望まれる。 室内で遊んでいるのか、屋外で遊んでいるのか。 1人で遊んでいるのか、大勢で遊んでいるのか。 ともかく、来週の集計結果を楽しみにしております。 
提案内容「緑の道」、「住空間」、「遊園」。 一つ一つもっと詰めていく必要あり。 緑地・空地の分析をしっかりとやってみよう。 ドームのデザインは平面図のコピペから。 

■ <TeamC>  
先週の中間発表以降、火水木と3日間かけて、今まで考えてきた提案内容を破棄しよう、とチーム内全員での合意を形成する。しかしながら、その過程で疲れ果てて、今回のエスキースではあまり多くのものを準備できなかったという。 
お見事。よく頑張った。 先週までよりは確実にチーム内コミュニケーションが取れるようになっっているのが、彼らの表情から読み取れる。 最終成果物の内容はもちろん重要だけど、チーム内での議論・口論・喧嘩に仲直り、それぞれが自分の意見を主張して、相手の意見を聞き、合意を形成する、というプロセスを、真剣に経験するということこそが、この課題で最も重要だと思う。 
今後増えていくであろう空地・空家の問題に如何に取り組むか、が彼らの新しいテーマらしい。 あくまでも自分達の夢や希望をそこに表現するように。 技術論のみに終始しないように。 

■ <TeamD>  
TeamCとは対照的に、メンバーの表情からは、明らかにコミュニケーション不良の様子が読み取れた。 彼らが今回準備してきた問題意識やテーマ、提案内容をひと通り聞いた後、一人無口なT君に意見を言うようにと水を向けると、案の定ボソボソ異論を言い始める。 
しかたがないので、人と意見が異なることを恐れるな、他人の意見を簡単に否定するな、とにかくまずは賛成してからより良くするにはこういう方法もあるんじゃないかと発言しろ、自分の意見を押し通すことが目的ではなく、チームとしてより良い提案を生み出すことこそが目的だ、などなどひと通りどやしつけて、エスキースの第2ラウンドをするからまとまった案を持って来い、と提案する。 
第2ラウンド。だいぶ明るい表情になって戻ってくる。 まだまとまってないけど、コミュニケーションは取れたそうな。 あとはなんとかするでしょう。

■ <TeamA>  
チームメンバー4人中2人が休み。 一瞬、はしかかと思ったが、どうも食あたりの様子。
先週ミナミの焼き鳥屋へ行って4人で飲んだら、次の日からほぼ全員がお腹を壊したらしい。 
かろうじて出席してる子もトイレ通いという始末。 
ま、後2週間あるし、なんとかなるでしょう。 

■感想 
昨晩、某鉄道系デベロッパーのおっちゃんから聞いた話。 経験則上は「おねえちゃん」が集まるような仕掛けを作れば、街は活性化されるそうな。 

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/06/26 Tue 16:22 | コメント (0) | トラックバック (0)


2007年06月19日

関大 建築設計製図D 「地区再生」 第10回 中間講評会 2007/06/19 tue

関西大学 工学部 建築学科 3年生 建築設計製図D 
 火曜日 3・4・5限 (13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50)

13:10-14:00 樫本スタジオ・4チーム
13:00-14:55 ムーサススタジオ・4チーム
(休憩)
15:05-15:50 藤田スタジオ・2チーム
15:50-16:50 丸茂スタジオ・5チーム
(休憩)
16:50-20:00 スタジオ内ミーティング 

 今年は残業なしでいこうと思ってたんだが。。。


■ <TeamB>  
先週から少し成長。 短期プラン、中期プラン、長期プラン、という3つの戦略。 
ポイント: 子供は自分の街を自分で選べない。 意思決定は親御さん。 
子供をハッピーにするためには、まず親御さんから。

■ <TeamC>  
片山公園で何かしたいということだけが明確。 もちろん、自分がやりたいことをやることが大切なんだけど、自分がやりたいことを対象地区内の人々に押し付けてはいけない。 
 エゴを捨てること。 
そして、地域にとって良い計画とはなにか、チームに対してのより良い貢献とは何かを徹底的にエゴイスティックに追求すること。 ま、そんなことなかなか出来ないんだけどね。 頑張れ。

■ <TeamA>  
具体的な提案内容としては、「木戸門」 http://www.digistyle-kyoto.com/machiya/machiya11.htm のようなものを提示していた。 フィールドワーク、マッピング、その他の情報収集も頑張ってやっていると思うが、現段階ではまだ個々の発見した事柄や提案内容に関連性が見られない。 ここからが勝負。 
プレゼンでは、まず結論を。 逆三角形型の論旨展開にしよう。 7分間という縛りがあっても、最初に結論を言っておけば調整可能なはず。 

■ <TeamD>  
「ダイアグラム」を活用しよう。 パワポのスライドが文字ばっかりで、発表者がそれを読み上げてるだけだと、聞いている方は、ちょっとしんどいもんです。 


<<他のスタジオの発表に関するMEMO>>
■ ムーサススタジオ 
スタジオ全体として、JR吹田駅・阪急吹田駅の辺りのアクセサビリティをテーマとしている。 
方針がクリアなため、4チームとも実体的な提案にたどり着いている。 大き目の模型で立体的な検討も行っている。 が、個々のチーム独自の問題意識やテーマがあまり見えない。 最終講評会に期待。 

■ 藤田スタジオ
Team A: 古い道の再生、祭りによる街の活性化。  Cf. 御旅所(おたびしょ)
Team B:  水路を作る。 
 枯山水路地などのスケッチは魅力的。 土壁の色別マッピング分析も面白い。 

■ 丸茂スタジオ
USB:=Urban Small Building (:≠Universal Serial Bus) がスタジオテーマ。 
建築による地区再生提案。 個々のチームの独自性も感じられる。 


■ 感想
「対象地区の再生計画を提案せよ」という課題に対して、「自由かつダイレクトに答えましょう」、というテーマを当スタジオでは設定した。 
もともとスタジオ毎のテーマは各教官にお任せ、という話だったので、当初、「チェーンストア(コンビニ)を中心とした地区再生計画」とか、「豊かに縮小する地区再生計画(30年間で70%くらい(?))」などのテーマ設定を検討したのだが、最終的にはやっぱり学生に任せよう、主体的に設定してもらおう、という結論に達した。 
実際の街を歩き、実測し、地図や書籍やネットなどから情報収集・分析を行うことによって把握した地区像から、「何が問題なのか」、「何がテーマになりうるのか」、を自分達の頭で考え出すところが、この課題の醍醐味であり、一所懸命考えてもらいたいところである。 
これは、彼らにとっては、自由なようで難しい内容であり、また僕にとっては、彼らに深く考えてもらうため、様々な角度から忍耐強く喋り続けなければならないという状況を生み出している。 
あー、しんど。

■ 学生による授業評価アンケート (回収率17/18)
「面白い・良かった・充実してる」: 3   「火曜日以外も見て欲しい」: 2
「グループ課題は面白い&難しい」: 3  「その他(「実測がしんどい」など)」: 3  「特になし」: 6

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/06/19 Tue 12:42 | コメント (0) | トラックバック (0)


2007年06月12日

関大 建築設計製図D 「地区再生」 第9回 2007/06/12 tue

関西大学 工学部 建築学科 3年生 建築設計製図D 
 火曜日 3・4・5限 (13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50)

来週の中間発表に向けて、本日はリハーサルとディスカッション。

13:00-14:30 <TeamB,TeamD、発表する。>  
14:40-16:00 <TeamC,TeamA、発表する。>
16:10-17:50 <各チームで話し合う。>


■ <TeamB>  
・テーマ: 子供・小学生。 
少子高齢化社会へと向かう現在、推計によると対象地区内の人口は減り、かつ、子供の割合はさらに減っていくと示されている。 人口中の割合が増加すると予想される高齢者をターゲットとした提案ではなく、あえて子供をターゲットとする。 子供たちが喜びそうな空間を提案する予定である。 
・ポイント: 
なぜ高齢者ではなく、子供をターゲットとするのか、をもっと明確に説明する必要があるのでは。 対象地区の再生提案をしましょうという課題に対する答えとしては、割合の増加する高齢者をターゲットとした方が、自然なアプローチのように思える。 
また、子供の生活圏という見方もあまりされてなかったように思う。 一般的に子供の生活圏は限定されている。そして、年齢が進むにつれて小学校区→中学校区→と広がっていく。 このあたりを地区デザイン提案者としてどう捉えるかについて、考え意見を述べるべきではないだろうか。  

■ <TeamD>  
・テーマ: 
対象地区がもつ歴史性、歴史的価値のある寺社、旧街道、などが住民やその他の人々にあまり知られていないのではないか。 せっかくの資産が生かされていないのではないかという問題意識を持つ。 
・提案内容:
旧街道沿いを竹林にしていくこと、などを予定している。 
・追加で:
リハーサル時点では発表しなかったが、先々週提案したJR・阪急吹田駅コネクション計画案にも未練がある。 でも、今日発表した計画案の方がしっかりと筋が通っていたので、一つだけにしぼった。
・ポイント:
1.問題設定、2.提案内容、3.表現、の三段階で課題を捉えた時、まず問題意識をもって問題点を明確にしてから、提案内容について考えるという順序で、生真面目に作業を行おうとすると、結構しんどい。 作りたいもの、提案したい計画内容についてまず考え、後から自分達のテーマについて考えるという順番でも、一向に構わない。 「後付けコンセプト」だろうがなんだろうが、最終的に納得感のあるテーマと魅力的な提案内容が出来上がっていて、全体として筋が通っていればそれで良いのである。
TeamDとTeamCは、この点に関して少し戸惑っていた様子である。 
 結果良ければ全て良し。
 デザインプロセスはほとんどの場合、非線形的。 

■ <TeamC>  
・テーマ: 未定、あるいは、不安定。
コミュニケーションの場を作りたい。つなぎたい。「鉄道の街」を復活(?)させたい。 
・提案内容:
JRの社宅がある一帯をコミュニケーションのある場所として計画する。 
・コメント: がんばろう!
・ポイント:
TeamDの部分でも触れたけど、
煮詰まって、押し黙ってても、何の成果もあがらない。 
そういう時のためにブレイン・ライティング。(またの名を「沈黙のブレスト」。)
 http://www.mycoted.com/Brainwriting (via http://www.motoelab.com/blog/myu/cat15/

■ <TeamA>  
・テーマ: 近所とのつながり 
・提案内容: 住宅街にちょっとしたつながりの場所をつくる(?) 
・ポイント: 
TeamBは「子供」、TeamDは「歴史」、この先どのように展開するかはわからないが、問題設定に関しては、概ねすんなり聞くことができる。 人口が減り子供はもっと減る、というのはほぼ間違いのない事実だろうし、歴史的資産が上手に活用されていないのではないかという話も納得できるものである。 ところが、「近所とのつながり」。 これは結構危険なテーマじゃないだろうか。 
田舎と較べて、この辺りは人と人とのつながりが希薄である。 しかも将来的には、より希薄になりそうな気がする。これをなんとかしたい。 ということなのだろうが…。
1.確かに「つながり」はあった方が良いと思う。反面、田舎や村社会にありがちなベタベタの近所の付き合いをあまり好まない人もいるのではないだろうか。
2.「つながり」は多ければ多いほど、強ければ強いほど良い。という論理に仮に乗っかったとしても、今度は、それって建築空間・都市空間で解決する話なのかな?という疑問が湧く。 


■ 感想
いずれにせよ、みんな頑張ってます。 

投稿者: Kohei_Kashimoto 2007/06/12 Tue 23:17 | コメント (0) | トラックバック (0)