2008年11月01日

ブラック・オクトーバー

 たまたまここ1年ほど集中的に金融についての学習を進めてきた。具体的には実利重視でこの講座を受けていたのだが、ちょうど修了したのが、この8月。せっかくだからちゃんと実践してみるかということで、ちょっとずつ分散投資を始めたのが、この9月。そして、今回の歴史的金融危機が発生したのが、この10月。 あまりのタイミングに驚きつつも、冷静さを保つように心する日々である。この「冷静さを保つ」ということがポイントなんだということが、この1ヶ月でよくわかった。

・アセットアロケーション
 目標値として設定したアセット・アロケーション(資産配分)は、通貨別では、円30%・ドル30%・ユーロ30%・その他10%。そして、それらそれぞれを、現金30%・債券30%・株式30%・その他10%に配置していこうというもの。マトリックスを描くと9%・3%・1%が並ぶ。 この目標値を3年くらいかけて、投資タイミングを分散させながら達成しようという作戦である。 通貨分散・資産分散・時間分散の三拍子そろった鉄壁の分散投資。 株式はもちろん各市場平均に投資しているインデックスファンド。個別株は当面無視。債券も今のところはMMF中心。長期のものは安全そうなのにちょいちょい手を出す程度である。
 もちろん、目標値はあくまでも目標値であり、ものによってはなかなか適切な金融商品が見つからなかったりするため、フレキシブルな対応をとらざるを得ない部分もある。また、現段階での目標と1年後3年後10年後のそれが完璧に一致し続けるというのも不自然な気がするので、随時再設定していくことになるのだろう。

・変型ドルコスト平均法
 「同じ投資対象を定期的に一定金額で買い付ける投資方法」がドルコスト平均法。ある投資対象に対して手持ちのお金を一度に全部使ってしまうのではなく、少しずつ一定額を買い足すことで、投資対象の価格変動を吸収しようという考え方である。 基本的には今回のような相場の下降局面で機能する方法である。上昇局面でやってもあんまりスマートな感じはしない。 (参照
 これを、底値を探りつつ平均取得単価を出来るだけ底値に近づける方法として定義し直すと、「同じ投資対象を、疎密をつけて(下降局面において集中的に)、一定金額で買い付ける投資方法」とする「変型ドルコスト平均法」なるものも考えられなくはない。 単に「難平買い(ナンピン買い)」と呼ぶよりも賢そうだし。

・心理
 下降局面での投資を上記のようなスタンスで進めていったわけだが、下がったなぁと思って購入すると、翌日更に下がっている。残高の評価損益の欄を見ると真っ赤っか。この瞬間、次の投資行動の意思決定を鈍らせる二つの感情が同時に湧く。「うわっ、損した!」「チャンスだ!」 また、投資対象の価格が上がった時にも同じような状況になる。「ラッキー、儲かった!」「あー、(底値で買う)チャンスを逃した!」 いずれにしても、こういった瞬間瞬間の感情に流されず、先述のアセット・アロケーションに向かって、淡々と冷静に進めていくことが重要なようだ。 

・アーバニズム 
 商売柄、コンセプトを組み立てて、目標を設定し、実現方法を細部にわたって設計し、実施していくというプロセスには慣れている。 将来は不確定であり、予測は不可能だ。という前提に立って、如何に現在の行動をデザインしていくか、というテーマは、建築デザイン・都市デザインのそれと完全に合致している。 違いがあるとするなら、完全にバーチャルで実体がなく数字だけが上下している世界と、完全にリアルで目に見えて触れることができる世界の違いということだろう。

投稿者 Kohei_Kashimoto : 2008/11/01 Sat 12:46

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