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2007年05月15日
関大 建築設計製図D 「地区再生」 第6回フィールド調査発表会 2007/05/15 tue
関西大学 工学部 建築学科 3年生 建築設計製図D
火曜日 3・4・5限 (13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50)
13:00-13:20 準備
13:20-17:20 フィールド調査発表会
17:20-17:40 採点・評価方式検討会議 (教員のみ)
17:40-18:10 樫本スタジオ内ミーティング (講評、実測図面の写真撮影など)
全スタジオ合同でのフィールド調査発表会。 各スタジオそれぞれ特徴のあるフィールドワークが行われていた。 我がスタジオメンバーに課した課題は、下記の通り。
対象地区を歩き回り、典型的な街路・魅力的な街路を各チーム20本ほど見つける。(合計約80本)
その中から実測したい街路を一人一本抽出する。
再び街へ出て実測調査を行う。
連続立面写真を作成する。
立面図、平面図、断面図、を1/50で白黒・手書きで描く。
A1サイズ1~2枚にまとめる。
といった結構ハードな内容だったが、実質3週間で、しかも間にGWを挟みつつ、よく仕上げたもんだ。
課題をだした張本人が一番驚いているかも知れない。
モチベーションの高いメンバーが集まってくれているみたいで、こちらもやりがいがあります。
リサーチとデザインは基本的に異なるものだ、というスタンスに僕が立っているということも、みんななんとなく理解してくれているみたいで安心しました。 今回のフィールドワーク・実測図面の作成が、直接これから行う再生計画案の策定に関わるわけではないけれど、対象地区の全体をニュートラルに把握するということが、提案策定に良い影響を与えることは間違いない。
以下、他の先生方のスタジオ発表に関するMEMO。
13:20- 西澤スタジオ:
旧西尾鄭の調査と、その保存に関する考察。 歴史的文化遺産を国の補助(指定文化財登録)に頼らず、自力で行うにはどうすれば良いか、という極めて現実的なアプローチ。 修理費、光熱費、水道代、庭師、などのランニングコストを捻出するために、どのような収益モデルがあるのだろうか。 今のところの提案は、プールを作る、納屋をカフェにする、といった感じであった。 事業計画を徹底的に作り込めばスゴイものになるかもしれない。 噂によると西澤氏の本職は「構造」の先生らしいのだが…。いきなりアーバンデザインの本質を突いてきているように思う。 世の中ジェニでっせ。
13:50- 樫本スタジオ:
上記の通り。序論、本論、結論、という展開は良かったが、本論が多少冗長になってしまった感あり。
そりゃ18本もの街路の図面と写真をたてつづけに見せられれば誰でも退屈するよな。一つ一つの密度がどんなに濃くても。 できればハーフタイムショーかなんかを入れてくれれば、最高のプレゼンでした。
14:20- 藤田スタジオ:
前出の西澤スタジオと半合同調査。西尾邸について発表。
14:50- 岡スタジオ:
スタジオテーマ「すまいをつなぐ空間」。 『吹田のすてきな空間』に関するフィールドワーク。
「屋敷」「長屋」「文化住宅」「戸建」「ミニ開発」という5種類の異なる住宅地の「すまいをつなぐ空間」を
調査。実測。 キーワードは「ご近所付き合い」なのかな。
15:20- 宮崎スタジオ:
見事。長年、都市デザイン・アーバンデザインの問題に関わっているが、「風の道を調べよう」というアプローチは新鮮でした。 しかも、実測方法は「指をなめて風の向きを知る」。 面白すぎる。
上空では一定の風向き、地上では街路の幅・向き・その他の要因によって、いろいろ異なるということか。
風速や風向きを定量的にはかるポータブルな機械もあるが20万円くらいするとのことでした。
15:50- 丸茂スタジオ、
スタジオテーマ「アーバン・スモール・ビルディング」。 対象地区内の計画対象地を発見することと、その実測調査。
13:20- ムーサススタジオ、
Kevin Lynch, 'The Image of the City'、の手法による地区分析。 主に、阪急吹田駅とJR吹田駅付近のエリアを中心にして。
13:50- 馬場スタジオ、
スタジオテーマ「地域で暮らしきる」。バリアフリー。
老夫婦の住む戸建住宅と、グループホームの実測調査。 敷居のディテール図面がキュート。
総じて、構造、歴史、環境、バリアフリー、など、いわゆる設計・デザインが専門でない先生方のスタジオの話が僕には新鮮で興味深かった。 今回の課題編成の変更に最初は少しとまどっていたが、アーバンデザインというものの懐の深さを改めて実感した。
投稿者 Kohei_Kashimoto : 2007/05/15 Tue 23:01
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