2007年05月22日

関大 建築設計製図D 「地区再生」 第7回 2007/05/22 tue

関西大学 工学部 建築学科 3年生 建築設計製図D 
 火曜日 3・4・5限 (13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50)

当初、DESIGN1(90分)、RESEARCH(90分)、DESIGN2(90分)という展開で授業を進めようと準備していたが、一つ目だけで3時間も費やしてしまった。 

■ DESIGN1: 計画提案、デザイン案、アイディアの整理整頓について
13:00-13:30 樫本解説
 スケジュールの確認
 ディスカッション: 「良い提案をつくるにはどうすれば良いか?」
 KJ法に関する簡単な説明

13:30-14:20 実習(各自)、 14:20-14:50 実習(各チーム)、 14:50-15:20 発表(各チーム) 
 5/1の授業の最後に行った「頭の体操」で出てきた再生計画提案(約40コ)を、グルーピングし、そのグループそれぞれにタイトルをつけ、グループ間の関連性について検討する。
<作業内容> 事前に準備されたペーパー(再生計画提案リスト:A4×1)の裏に、スプレーのりを吹きつけ、各提案内容を切り出し、それをA3サイズのペーパーの上にグルーピングしつつ、再配置する。 ある程度完成したらペンで各グループを囲み、タイトルをつける。 完成したら写真撮影しプロジェクターで映し出し、各チーム考えたことを発表する。 

15:20-15:50 樫本解説
事前に準備したグルーピング例を示しながら考え方を説明。 
まず、MECE: Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive について解説を行う。 
アイディア出しのプロセスでランダムに出てきた多数の案を整理しまとめるにあたっては、その分類項目は「相互に排他的」でなければならない。 さもなければ、せっかく各案をいくつかのグループに分類しても、グループ同士に重なりができてしまうため、双方のグループに属する案が出てくる。
こういった重なりが生れない(あるいは、生れにくい)分類項目を発見し、組み立てる必要がある。
また、設定された複数の分類項目が「全体として包括的」であれば、整理されるべき多数の案は必ずどこかの分類項目のなかに属することになる。 そういった包括的な枠組みを設定できれば、後はその枠組みの中を更に細分化して考えれば、より深く考えることができる。 

…と、言うのは簡単なんだけど「行うは難し」ってやつで、結構「その他」って分類項目を利用する必要があります。
私案は下記の通り。 
 ・1.建物に関する提案・建物以外に関する提案。 
更に、建物以外に関する提案を、1.土木・インフラ(道路、鉄道、河川、他)に関する提案、2.公園・緑地・空地に関する提案、3.路上または建物に付属する要素(看板、電信柱、ガードレール、他)、4.その他の提案、の4つにサブグルーピングする。 
 ・2.提案内容(文章)の動詞に着目した分類。 「~をつくる」、「~をなくす」、「その他」
 ・3.5W1Hに着目した分類。 「どこで何を誰が」行うかが明瞭な提案、「どこで何を」行うかのみが明瞭な提案、「何を」行うかのみが明瞭な提案、その他(何の提案なのかよく分からない提案)

そして、これらのグルーピングを行った後に、各グループ内の提案をよく検討していくと、まだ提示されていない提案内容・アイディアが発見しやすくなるというのが、この方法の効用だろう。 
その他、思いつく枠組みを列挙する。 
 ・具体的提案⇔抽象的提案
 ・ソフトに関する提案⇔ハードに関する提案
 ・ルール設定の必要な提案、多数の参加者を想定している提案、個人・法人・行政など単一主体が実行可能な提案
 ・朝昼晩、
 ・老若男女、
 ・地区内部のみ、地区外部との関係、

■ RESEARCH: 
16:10-16:20 樫本 「情報収集全般について」
Q: 対象地区をより詳しく知るためには、まだまだ様々な情報を収集しなければならない。 何について調べる必要があるだろうか? (スタジオメンバーがランダムに答える。)

 「ざっくり」と「こまかく」の2段階で考えること。 
 「ざっくり調べる」→ 「(計画案の)仮説をたてる」→ 「こまかく調べる」 

16:20-16:30 樫本 「地図について」
地図には多様な情報が盛り込まれている。 対象地区を把握するために地図はなくてはならない資料だが、ただ見つめているだけではなかなか深くは読み取れない。より詳しく読み取るためには、1/10,000の地図、あるいは1/5,000の地図にトレーシングペーパーを重ねて、いくつかの特定の要素のみをピックアップして、トレースしていくのが効果的である。 
Q.さて、「ざっくり」と対象地区を把握するためには、どのような要素からピックアップしていけば良いだろうか?  (スタジオメンバーがランダムに答える。) 
A. 自然地形→ インフラ→ 土地利用現況

16:30-17:30 実習(各チーム) 
 1/10,000の地図をがんがんトレースする。


■ DESIGN 2+本日のまとめ
17:30-17:40 樫本 「問題設定・課題設定について」 
 対象地区の問題点は何か? どこが悪くて、どこが良いのか? 
 対象地区内で、残すべき価値があるものは何か?
 計画案を練る上で最も重要なポイント、次週各チーム簡単にまとめて発表する。

17:40-17:50 樫本 「クリエイティビティ獲得へ向けて。下記書籍を紹介」 
 ロジャー・フォン・イーク著、『頭にガツンと一撃』 
 Roger von Oech, “A Whack - On The Side Of The Head”、 以下、目次より。 

 物事の正解は一つだけではない
 何も論理的でなくてもいい
 ルールを無視しよう
 現実的に考えようとするな
 曖昧のままにしておこう
 間違えてもいい
 遊び心は軽薄ではない
 「それは私の専門外だ」というな
 馬鹿なことを考えよう
 「創造力」は誰でももっている 

17:50-17:60 樫本 「本日のまとめなど」 
 次週まで、あるいは中間発表までの作業として推奨すること。
・1/10,000の対象地区全体模型を作成する
・「路線価図」について調べ、対象地区全体の路線価図を収集し、割安(割高)な土地を探す。
 http://www.rosenka.nta.go.jp/

■ 感想
 実習で手を動かしている時は楽しそうにしてるんだけどなぁ。。 少し難しかったかな。
 

投稿者 Kohei_Kashimoto : 2007/05/22 Tue 18:44

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